禁煙とSPTによって歯周病の症状を改善した症例
禁煙とSPTによって歯周病の症状を改善した症例
こちらの患者さまは朝方に生じる頭痛や顎の痛みが気になり、いろいろな病院で検査を受け、緊張性頭痛と診断されましたが、整体に行った際に歯から来ているのではと言われたことをきっかけに当院を受診されました。
患者さまの状態
既往歴 | なし |
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歯周組織の状態 | ・歯肉は全体的に薄いタイプ。 ・喫煙により態歯周検査時にプローブの挿入しにくさを感じる。 ・歯肉辺縁の顕著な発赤や腫脹は認められない。 |
歯肉の色調 | 全体的には歯肉の色調がよく歯肉辺縁の炎症はあまり見られない。 |
出血及び排膿 | 1日10本紙タバコを喫煙しており、歯肉は貧血状態。 |
喫煙の情報 | ・20歳から1日10本程度の喫煙経験あり ・やめられなくはないが、禁煙を試みたことはない 2023年4月21日に禁煙 2025年3月14日現在も禁煙継続中 |
治療歴
- 2022.7.28 口腔内写真の撮影・歯石除去・OHI・歯周病・禁煙についての説明
- 2022.9.2 SRP(歯石除去)
- 2022.9.9 SRP(歯石除去)
- 2022.10.21 SRP(歯石除去)
- 2022.11.10 SRP(歯石除去)
- 2023.1.22 再評価・SPT開始
- 2023.4.21 SPT 禁煙に成功
- 2023.7.28 SPT 禁煙継続中(1本も吸っていない)
- 2023.10.27 SPT 禁煙継続中(1本も吸っていない)
- 2024.1.26 SPT 禁煙継続中(1本も吸っていない)
- 2024.8.22 SPT 禁煙継続中(1本も吸っていない)
- 2024.11.22 SPT 禁煙継続中(1本も吸っていない)
- 2025.3.14 SPT 禁煙継続中(1本も吸っていない)
SRP:(スケーリング・ルートプレーニング)歯に付着したプラークや歯石などを除去する処置。
SPT:(メインテナンス)歯周組織を安定した状態で維持するための処置。
初診時 歯周精密検査
●BOP(出血率):歯周ポケットを測定する際の出血率を表す指標。
※理想値は20%未満、しかし多くの歯科医院では10%前後を目標。
●PCR(プラークコントロール率):歯面に付着したプラークの量を表す指標。
※一般的に20%以下、理想的には10%以下が目標。
SRP(歯石除去)の実施
セルフケアの指導
【歯間ブラシのサイズ合わせの様子】
歯間ブラシはただ通しているだけだと歯間の歯垢は確実に除去できていないことがあります。
正しいサイズ・物選び・使い方ができて初めて効果的に歯垢を除去することが可能です。
サイズが合っているかご不安な方は担当歯科衛生士までご相談ください。
歯石の再沈着防止のため、磨きにくい奥歯はワンタフトブラシを活用いただきました。
初診時~メインテナンスの経過
歯周精密検査の比較
●BOP(出血率):14%→1%
●PCR(プラークコントロール率):38%→4%
SRP(歯石除去)とセルフケアの指導により、BOP、PCR共に改善されました。
再評価時・SPT時の口腔内写真の比較
年齢・性別 | 50代女性 |
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治療期間・回数 | 2年8ヵ月 12回 |
治療費(税込) | 32,000円(3割負担) |
リスク・注意点 | 本症例は完治に近い状態で治癒しており、維持安定を図っておりますが、正しいセルフケアができなかったり、定期的にメインテナンスを行わないと後戻りする可能性があります。 |